一般に、でんぷんや砂糖をとりすぎると太るといわれています。 はちみつもその主成分が糖分であり、その甘さのために「太る」と思われがちですが、その心配はないようです。 はちみつに含まれる果糖が、たくさんの糖分を肝臓に送り過ぎないようにコントルールする働きを持っており、糖分が脂肪にならないように自動的に調整してくれているためです。
はちみつ100gと牛乳1クォート(約1.14リットル)だけで約3カ月間過ごしても、健康状態に異常を来さなかったという結果が、アメリカのハイダック教授の実験から得られています。 ただ、多少ビタミンCが不足してきたため、オレンジジュースを補うと回復したとのことです。
お茶碗に軽く1杯のごはんは、はちみつ大さじ1.5強に相当し、これが約100kcalです。 同じ重さ(g)についていえば、はちみつは卵の約2倍、牛乳の約5倍のカロリーであり、消化吸収も早く理想的なカロリー源です。
甘いものは虫歯の原因になると思われていますが、はちみつは虫歯の原因にはならず、むしろ虫歯を防ぐ働きを持っています。 はちみつにはカルシウムが含まれていることと、強い殺菌力があるためです。
食べても大丈夫です。結晶は、はちみつの特徴であり品質に問題はありません。 結晶のままでも食べられますが、結晶を溶かすには必要量だけ電子レンジで加熱するか、湯煎にすると簡単に溶けます。 一度結晶したはちみつは、自然の気温上昇ぐらいではなかなか溶けません。夏の暑さでも硬い結晶のままです。 また、完全に溶けたはちみつは、なかなか再結晶することはありませんが、少しでも結晶が残っているとすぐに結晶が広がります。
湯煎する場合の注意
ビン詰めの容器をいきなり湯の中へ入れるとビンが割れてしまいます。
容器の蓋を取るか緩めて、水から火にかけて徐々に温めましょう。
はちみつは、その性質により冬季(約14度前後)に結晶します。 しかし、結晶していないのがすべて偽物だと断定はできません。 糖度が高い場合(巣の中で濃く濃縮されている場合)やアカシア蜜(他の蜜に比べて果糖が多い)などは、結晶を始めるのが遅かったり、結晶しない場合があります。 また、加熱し過ぎたはちみつは結晶しません。
はちみつに含まれるブドウ糖が、気温の低下により結晶します。
結晶する速度は花の種類により異なり、これは、はちみつに含まれるブドウ糖の量によります。
はちみつは長く置くと風味が薄れ色が濃くなりますが、品質にほとんど変化はありません。 また、結晶した時にカビのように見えるものもありますが、カビも生えることはありません。 ただし、製品として販売する場合は、法律で賞味期限を表示することになっており、河合養蜂園のはちみつはビン詰めから2年を表記しています。
はちみつは、糖濃度が高いため細菌等が繁殖しにくく、さらに酸性が強いことや、インヒビンという抗菌性物質が含まれるために、長く置いてもほとんど変化はありません (はちみつは体内に入るとアルカリ性に変わる性質があるので、実質的にはアルカリ性食品です)。
食品は、酸性食品とアルカリ性食品に分けられます。 健康を保つためには両食品をバランスよく摂取する必要があります。
酸性食品 | 穀類、豆類、肉類、魚類、卵類、など |
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アルカリ性食品 | 野菜、果実、海草、牛乳、など |
新婚は「蜜」のように甘いから・・・というだけではありません。 「蜜月」と訳される「ハネムーン」という言葉は、古代ゲルマン民族の風習からきています。 古代ゲルマン民族のあいだでは新婚夫婦は結婚後1カ月間は、はちみつで作った酒、つまり蜜酒を飲む習慣がありました。 その蜜酒を飲む期間が、つまり「蜜月」と呼ばれていました。
品名(商品名)の下に原材料名の欄があります。 はちみつ以外の文字や、異なる材料が書かれていないかを確認してください。 これは、天然はちみつに含まれているもの以外の原材料が使用されていないことを確認するためです。 信頼できるお店でお求めされることをおすすめします。
参考書籍: Q2.3.4.7. 渡辺 孝「ハチミツの百科」(真珠書院、1969年)
Q1.6. 渡辺 孝「ハチミツ特効食」(小学館、1974年)