はちみつの歴史

はちみつの歴史は人類の歴史 The history of honey is the history of mankind. イギリスのことわざより

1. みつばちと人類

みつばちが地球上に現れたのは、約2千万年~1千万年前のことです。 人類が数百万年前に現れたのに比べると、はるか以前のことです。 みつばちと人類との関わりは、はちみつの採集に始まりました。

紀元前6000年頃に描かれたスペイン東部にあるアラニア洞窟の壁画には、みつばちの巣に手を入れて、はちみつを採集している人の姿が描かれています。 蜂に刺される危険を犯してでも手に入れたい「はちみつ」は、古代人にとってもよほど素敵なものだったのでしょう。

また、紀元前2600年頃のエジプトの壁画には、はちみつの採集から保存までの様子が細かく描かれています。 そして、これが世界最初の養蜂国エジプトの「養蜂」の最古の証拠となり、養蜂の歴史が始まるのです。

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2. 養蜂の歴史

現在の巣箱
 現在の巣箱

地中海周辺から始まった養蜂は、徐々に世界に広まりました。

昔の養蜂では、現在のように巣が木の枠にはまっておらず、わらで作ったもの(スケップ)や陶器の巣箱が主体でした。 ただこの方法では、はちみつを採集する時に巣をつぶさなくてはならず、また最初からやり直さなくてはなりませんでした。

そのような方法を改めたのが近代養蜂で、1850年代にとよばれる現在のような巣箱(ラングストロス式)が発明されました。 これは、自然に作られているみつばちの巣に近い形で考案されたものです。

このような近代養蜂が日本に入ってきたのは明治時代になってからのことで、欧米文化の流入と共に新しい産業として定着しました。 自然が豊かだった頃、花を追って北上しながらはちみつを採集する移動養蜂が盛んでしたが、現在ではあまり見られなくなっています。

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3. 養蜂の現在~はちみつができるまで~

明治時代から新しい産業として定着してきた近代養蜂は、セイヨウミツバチを使いラングストロス式の巣箱で飼われています。 では、この巣箱からどうやってはちみつを採取するのでしょうか?

はちみつができるまでをご紹介しましょう。

はちみつができるまで(くん煙・みつ蓋の切り取り・遠心分離器・みつの採集)

遠心分離器にかけている様子
 遠心分離器にかけている様子(STEP3)

参考書籍: 松香光夫「ミツバチ利用の昔と今」(農山漁村文化協会、1998年)
渡辺 孝「ミツバチの文化史」(筑摩書房、1994年)

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