現在、日本では薬として認められていません。 プロポリスの日本における歴史は浅く、1985年に名古屋で開かれた国際養蜂会議において、プロポリスの効用が報告されたことがきっかけでした。 以後、さまざまな研究が進められ、プロポリスの多彩な効力が国内外から報告されました。 そして、1991年9月の日本癌学会で、国立予防衛生研究所の松野哲也氏が発表した「プロポリスの抗腫瘍作用」と題される研究発表が行われたのがきっかけとなり、プロポリスは健康食品として一般に知れ渡るようになりました。
現在、プロポリスの効用に関してさまざまな書籍があり、その治療例も数多く紹介されていますが、薬として認可を受けるためには、まだまだ多角的な研究が必要とされています。
プロポリスは、ウイルスやバクテリアなどの病原菌から巣を守るために、みつばちが作り出す天然の物質です。 みつばちは、この物質を巣の出入り口や隙間などに付着させて、巣内を清潔に保っています。 ブラジルは豊かな自然の宝庫で、その密林にはみつばちの巣に害を及ぼす細菌が多く存在しており、みつばちは強力な殺菌力のあるプロポリスを作り出して巣を守らなくてはなりません。 みつばちを取り巻く自然環境によって、みつばちが作り出すプロポリスも異なるのです。
また、日本で最初に紹介されたのがブラジル産ということもあり、有名な理由の一つになっています。
プロポリスの最大の特徴として、約20種類以上ものフラボノイドが含まれていることがあげられます。 フラボノイドとは、植物やその他の生物に含まれる色素の一種で、自然界から非常に多くのものが発見されており、その数は4千種類以上になります。 なかでも、プロポリスには他の植物には見られない、抗菌力の非常に高いフラボノイドが天然の形で含まれており、プロポリスの持つ抗菌・抗ウィルス作用は、このフラボノイドの効果によるものと考えられています。
フラボノイドには、その他にも、活性酸素の除去、抗アレルギー作用、細胞膜の強化および細胞活動の活発化、などの働きがあります。
プロポリスには独特のにおいがあり、それがプロポリスの特徴の一つでもあります。 においが強く感じられるのはプロポリスの中でも液状タイプのもので、粒状タイプのものはそれほどにおいを感じることなく飲むことができます。
においを強く感じる液状タイプのものは、ほとんどがアルコールを抽出液として作られており、プロポリスそのもののにおいに、アルコールのにおいが加わっていると考えられますが、よい原料を使っているところの製品であれば、品質にそれほど影響はありません。
アルコール抽出法について
プロポロスの抽出には、アルコール抽出法、水抽出法、ミセル抽出法がありますが、現在、アルコール抽出法が最もよく利用されており主流となっています。
アルコール抽出法では、フラボノイドを含むプロポリスそのものの有効成分をすべて抽出することができ、さらに、アルコールによる殺菌が施されるという利点があります。
プロポリスは、はちみつと同様に長期保存が可能だと考えられていますが、一般に市販されている製品には賞味期限が明記されていますので、それを参考にされることをおすすめします。 未開封の状態であっても、直射日光、高温多湿を避けた冷暗所に保存し、開封した場合はふたを閉めて保存し、なるべく早く飲むようにした方がよいでしょう。
参考書籍: Q1. 木下繁太朗「プロポリスの凄い薬効」(主婦と生活社、1991年)