「はちみつの歴史は人類の歴史」 The history of honey is the history of mankind. 〜イギリスのことわざより〜 |
【1】 みつばちと人類 【2】 養蜂の歴史 【3】 養蜂の現在〜はちみつができるまで〜 【4】 みつばちから学ぶこと |
【4】 みつばちから学ぶこと |
はじめに 「はちみつの歴史は人類の歴史」ということわざがあるように、みつばちと人類は古くから深いかかわりを持ち続けてきました。 自然環境の大切さ、集団生活の大切さ、みつばちから学ぶことはたくさんあります。 みつばちについては、世界中で多くの研究がされており、資料もたくさんあります。 「ミツバチのダンス」ではノーベル賞をもらった学者も既にあります。 そこで、通常の養蜂をしながら気の付いたこと、学ぶところをまとめてみました。 1. みつばちの集団について(社会性)
【女王蜂】
生まれたときから女王蜂。
同じ親である女王蜂の生んだ卵であっても、育てられる場所と食べ物の違いにより、体格、習性、成長して役割が異なる。
人間だと「氏」より「育ち」というところか。
【働き蜂】
生まれながらの働き蜂。メスであるが中性。
掃除当番から蜜の採集までの多くの仕事をするが、生後の日数により役割が異なるし、特別に良く働くものもいれば適当に働くものもいる。
あまり働きの多い時期は早く死ぬことになる。 【雄蜂】(オスバチ) 生殖のみがその仕事。通常いつもぶらぶらしているが、秋になり不要になると巣から追い出される。 生殖を終えた雄蜂には死が待っている。いつも死と隣り合わせというところか。
【働き蜂の産卵により生まれ育った第4の蜂】
女王蜂が不慮の事故で死んだとき、変成王台により変則的な新女王が養成される。
しかし、これにも失敗した群は巣の中は卵がなくなり、働き蜂が卵を産み始める。
この卵は、女王蜂にも働き蜂にも雄蜂にもならない。
蜜のみを消費し、やがてこの群は放置すれば絶えてしまう。 【はちみつ】 完成されたはちみつは時間が経っても、結晶以外の変化はしない。完成度の高い食品である。 【蜜蝋】(ミツロウ) はちみつを原料としてみつばちの蝋線から作られる。 ハニカム構造は、軽量で強い事から工業的にもヒントとして用いられている。 蜜蝋は燃やしても公害となる物質は出ない。 【蜂の子】 はちみつと花粉を食して育つ蜂の子は、良質な蛋白質を含む食品となる。 【ローヤルゼリー】 不老長寿の秘薬。生命の神秘として広く知られている。副作用などの薬害はない。 【プロポリス】 みつばちの秘薬として、その効果は最近特に知られつつある。 もっとも2千年以上前から知られていたにもかかわらず、今日話題となるところが面白い。 【蜂毒】 人間のいろいろな病との関係でツボと称するところがある。 蜂針による蜂毒の利用や、2千年もの昔に肩こりに利用する絵が残されている。 【食用花粉】 みつばち花粉として知られ、ローヤルゼリーの原料となるみつばちのタンパク質としての食料。 みつばちは6千万年の進化の中で覚えた。 【花粉交配】 果樹等は、みつばちの花粉交配による恩恵とともに蜜や花粉を与える。それにより風が吹かずとも果物は実る。 ギブアンドテイク(give and take)。人権屋のテイク・テイク(take・take)は見習うべきではないだろうか。
みつばちは太陽や花のあるところで蜜を採取し増殖することが可能。
毒入りの水、毒ガスには弱く即時に死亡する。
蜂の子からはちみつに至るまで原則無公害。
何一つとして地球を汚染するもの、環境を汚染するものはない。
昔から霊虫として、聖書の中でも出てくる。
以上、人類の歴史と共にあった、はちみつとみつばち関連の事を思いつくままにまとめてみました。
思い違いや間違った観察があるかもしれません。
前回までシリーズで、既に研究された方の文献も参考にさせて頂いたことをお断り申し上げます。
【みつばち牧場オーナー】 河合養蜂園 河合進 1999年2月13日 |